9月10日(水)、スイス・ジュネーブにおいて拉致問題対策本部主催「北朝鮮による拉致を含む人権侵害に関する国際シンポジウム」を開催しました。
今回のシンポジウムは、本年2月の「北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)」報告書の公表や3月の人権理事会での北朝鮮人権状況決議の採択など、国連をはじめとする国際場裡において北朝鮮の人権問題を取り上げ、その改善・解決を図ろうという機運が従来になく高まっていることから、この機運を引き続き維持するとともに、拉致問題の解決に向け、我が国が国際社会とこれまで以上に緊密な連携を図る機会とすることを目的として開催したものです。
1.シンポジウムの概要は以下のとおりです。
日時:平成26年9月10日(水)14時から16時
場所:国連欧州本部(スイス・ジュネーブ)
講演者:山谷拉致問題担当大臣、マルズキ・ダルスマン国連北朝鮮人権状況特別報告者(元COI委員)、マイケル・カービー元COI委員長、拉致被害者御家族等、計14名
出席者:国連や各国代表部関係者、NGO関係者、メディア関係者等、約150名
概要:
(1)シンポジウム冒頭において、山谷大臣から英語にて基調講演を行い、拉致問題の悲惨さ重大さを訴えるとともに、日本としても引き続き国際的に連携をしながら、この拉致問題を含む北朝鮮の人権問題の解決に向けた役割を果たしていく決意を述べました。
(2)山谷大臣の基調講演に続き、マルズキ国連北朝鮮人権状況特別報告者、カービー元COI委員長、ビセルコ元COI委員からは、北朝鮮による国際的拉致や強制失踪の問題は最も重大な人権侵害の一つであることや、COI報告書が、国連総会によって安全保障理事会に送られ、国際刑事裁判所に付託されることへの期待などが述べられました。
(3)増元家族会事務局長ほか拉致被害者家族等からは、肉親が突然拉致された苦しさや、北朝鮮による拉致問題の解決のため、国際社会による理解の必要性などが述べられました。
(4)その他の講演者からは、脱北者の視点から見た北朝鮮における人権状況の説明や、北朝鮮による拉致問題の解決に向けた取組の紹介などがされました。
2.また、シンポジウムに併せて、国連欧州本部内において、北朝鮮による拉致問題の概要、政府、北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会、特定失踪者問題調査会の取組等を紹介するパネル45点の展示・解説を行いました。