「拉致問題を考える道民集会」を開催しました。

平成24年2月19日(日)午後、札幌市内の京王プラザホテル札幌において、政府拉致問題対策本部、北海道、北朝鮮に拉致された日本人を救出する北海道の会による共催で、「拉致問題を考える道民集会」が開催され、約200人の参加を得ました。
政府共催の拉致問題広報・啓発行事の地方における開催は、今年度、5回目となります。

この「拉致問題を考える道民集会」では、

○ 政府主催者代表挨拶 松原 仁(拉致問題担当大臣)
○ 地元主催者代表挨拶 高橋 はるみ(北海道知事)
○ 講演 飯塚 耕一郎(家族会事務局次長)
○ 講演 眞鍋 貞樹(拓殖大学大学院地方政治行政研究科教授)
○ 挨拶 藤野 義昭(救う会北海道代表)
等が行われました。

以下、主な発言内容。

(松原拉致問題担当大臣)
○ 新しい北朝鮮の体制が従来と異なる対応を始める可能性を期待するとともに、私たちは、その可能性を作り出すための努力をしていかなければならないと思っています。
○ 私は、日本と北朝鮮が地政学上近い位置にあるにも関わらず、北朝鮮が拉致被害者の日本への帰国を実現しないならば、永久にこの問題は両国にとって大きな懸念、大きな溝として残るということを北朝鮮に対して申し上げたい。
○ 国会の予算委員会の場でも、拉致問題の解決は関係者が元気であるうちに行わなければ永久に未解決の問題として日朝間に残るであろう、ということを改めて表明しました。

(高橋北海道知事)
○ 私どもは、道内に多くの失踪者の方々がおられる立場からも、松原大臣には、北朝鮮が新たな体制となる中で、拉致問題の一日も早い解決に向けて御努力されることを、心から期待しております。
○ 道の役割は、政府と連携を取らせていただきながら国民、道民の皆様方の御理解をいかに高めていくのか、世論の啓発ということではないかと考えております。

(飯塚家族会事務局次長)
○ 政府には、2008年に外交上締結した再調査を強く要求することを基軸にして、経済制裁という外交上の交渉カードをきっちり持ち続けて、水面下、水面上に関係なく北朝鮮と接触をし、パイプを作っていただきたい。
○ 松原大臣にはスピード感を持って、再調査というボールが北朝鮮から返って来るのを待っているのではなく、ボールが返るような仕掛け、仕組みにより、向こうの状況を転換させるというのも外交の一つであると思うのです。
○ 金正日死亡後の1年は勝負の年だと理解しており、この1年で解決しないのであれば、この先解決は無理だろうという気持ちになっております。

(眞鍋拓殖大学大学院教授)
○ 拉致問題は単独で存在する問題ではなく、核兵器の問題、ミサイルの問題、よど号の問題、日本人妻の問題とか、日朝間に様々ある問題とリンケージしており、あらゆる問題を包括的に検討し、取り組んでいかないと解決の糸口は見つからない問題です。
○ 北朝鮮は、金日成の生誕100周年の4月15日をイベントにして、対内的にも対外的にもメッセージを出す時として、その日に向けて対米政策、対韓政策、対日政策を考え、やろうとしているので、それに対して日本側が強く確実なものをどう打ち出していけるのかが重要です。
○ 拉致問題は時間の問題であり、今までと同じ発想と方法論ではこの問題の解決が難しいということはこの10年間が証明しているので、これまでと異なる発想、方法論を論じていかなければならないと思います。

(藤野救う会北海道代表)
○ 拉致は国際問題であるので松原大臣のできることには限界があるかもしれないが、松原大臣が自分の在任中に拉致問題を解決したいという強い思いを持っておられることは確かです。
○ チャン・チョルヒョンさん(脱北者、元北朝鮮統一戦線部の幹部)によれば、中国が北朝鮮に圧力をかければ拉致問題を解決できるということです。

なお、当日は、集会に先立ち、松原大臣と高橋知事との意見交換が行われました。松原大臣は、高橋知事に対して、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない特定失踪者問題への更なる協力、地方自治体における実務レベルでの意見交換の場を設けること等、今後の取組について要請しました。
あわせて、会場においては、DVD「拉致 私たちは何故、気付かなかったのか!」が上映されました。 

松原拉致問題担当大臣の挨拶
松原拉致問題担当大臣の挨拶
高橋北海道知事の挨拶
高橋北海道知事の挨拶
眞鍋拓殖大学大学院教授の講演
眞鍋拓殖大学大学院教授の講演
松原拉致問題担当大臣と高橋北海道知事との面談
松原拉致問題担当大臣と高橋北海道知事との面談