G8ドーヴィル・サミット及び第20回日EU定期首脳協議の開催等

1.本年のG8サミットは、5月26日、27日にフランスのドーヴィルにおいて開催されました。拉致問題をはじめとする北朝鮮問題に関するやり取りの概要などは、次のとおりです。

(1)北朝鮮問題について、菅総理より、北朝鮮のウラン濃縮活動は安保理決議及び6者会合共同声明の明らかな違反であり、北朝鮮の核放棄を迫る国際社会の取組に対する大きな挑戦であることを強調し、国連安保理がしっかりとメッセージを発出すべき旨発言し、他の首脳からも我が国の懸念を共有する旨の発言がなされた。また、菅総理より、拉致問題を含めた北朝鮮における人権状況への懸念を提起し、首脳宣言にも盛り込まれた。

(2)首脳宣言における北朝鮮問題の記述は、次のとおり。
・北朝鮮に関し、休戦協定と多数の南北間合意に関わる北朝鮮の挑発的な行動、国連安保理決議第1718号及び同第1874号に違反する核及びミサイル開発計画の継続並びにウラン濃縮計画及び軽水炉建設活動を非難。国連安保理決議を完全に履行するとの我々のコミットメントを改めて表明し、すべての国連加盟国に同様の行動を求める。北朝鮮に対し、全ての核計画及び弾道ミサイル計画の完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な放棄を含む国際的義務に従い、また、拉致問題といった国際社会の人道上の懸念に速やかに対応するよう要請。六者会合を通じた問題解決への関係者の意向に留意しつつ、六者会合の再開に資する環境を醸成するための具体的行動をとるよう北朝鮮に要請し、韓国による現在の努力に支持を表明。

2.26日(木)午後(日本時間27日午前)から、G8ドーヴィル・サミット出席のためフランス訪問中の菅総理は、オバマ米大統領との間で日米首脳会談を行いました。会談における拉致問題をはじめとする北朝鮮問題に関するやり取りの概要は、次のとおりです。

(1)菅総理から、特にウラン濃縮活動を強く懸念する、中国に対しても北朝鮮が非核化に向かうように働きかけを強めることを求めていきたい、拉致問題についての米国の引き続き力強い支援をお願いしたい旨述べた。

(2)オバマ大統領から、北朝鮮情勢の見方については日本と同様の認識であり、日米で緊密に連携したい、また、中韓とも連携し非核化のプロセスを進めていきたい旨述べた。

3.菅総理は、現地時間27日、G8首脳会合に出席するために訪問中の仏ドーヴィルにおいて、メドヴェージェフ・ロシア大統領との間で日露首脳会談を行いました。会談における拉致問題をはじめとする北朝鮮問題に関するやり取りの概要は、次のとおりです。

●国際舞台・アジア太平洋地域での協力については、北朝鮮によるウラン濃縮問題への対応を含むアジア太平洋地域における協力を進めていくことで一致した。この関連で、菅総理から、北朝鮮の拉致問題へのロシアの協力を要請した。

4.5月28日、第20回日EU定期首脳協議がブリュッセルにおいて開催され、ヘルマン・ファン=ロンパイ欧州理事会議長、ジョゼ・マヌエル・バローゾ欧州委員会委員長、菅総理が出席。拉致問題をはじめとする北朝鮮問題に関するやり取りの概要などは、次のとおりです。

(1)菅総理から、北朝鮮のウラン濃縮活動は安保理決議及び六者会合共同声明の明らかな違反であるとして、懸念を表明。その上で、六者会合を通じた非核化を実現するためにも、国際社会としてのしっかりとしたメッセージの発出が重要であり、今般、G8首脳がそろって北朝鮮に対して明確なメッセージを発出したことを評価する旨述べた。また、菅総理から、日EUが共同提案した北朝鮮人権状況決議に言及の上、EU市民も被害者となっている拉致問題を含めた人権状況改善の要求を初めとして、あらゆる面で緊密な連携を維持したい旨述べた。

(2)共同プレス声明における北朝鮮問題の記述は、次のとおり。
日EU首脳は、北朝鮮によるウラン濃縮活動との関連で、北朝鮮が関連する国連安全保障理事会決議及び2005年六者会合の共同声明に深刻に違反していることを非難した。日EU首脳は、北朝鮮に対し、非核化を含めその義務の遵守およびコミットメントの履行に向けて具体的行動をとるよう要請した。加えて、日EU首脳は,拉致問題を含む北朝鮮の人権問題に対処することの重要性を強調した。

外務省HPはこちらへ
G8ドーヴィル・サミット外部リンク
第20回日EU定期首脳協議外部リンク