平成23年10月5日(水)午後、エポックなかはらホール(川崎市総合福祉センター)において、政府拉致問題対策本部、神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市による共催で「拉致問題を考える国民大集会in神奈川」が開催され、約750人が参加しました。
政府共催の拉致問題広報・啓発行事の地方における開催は、今年度第1回目であり、全体としては今回の行事が15回目となります。
この「拉致問題を考える国民大集会in神奈川」では、
○ 政府主催者代表挨拶 松原 仁(国土交通副大臣(拉致問題担当))
○ 地元主催者代表挨拶 黒岩 祐治(神奈川県知事)
○ 地元主催者代表挨拶 阿部 孝夫(川崎市長)
○ 特定失踪者御家族紹介等
○ 講演 横田滋・早紀江御夫妻(拉致被害者御家族)
○ 拉致被害者等御家族激励 林 文子(横浜市長)
○ 拉致被害者等御家族激励 山口 和夫(相模原市副市長)
○ 白鳥英美子さんによるミニコンサート
等が行われました。
以下、主な発言内容。
(松原副大臣挨拶)
○北朝鮮による拉致問題は国家主権の侵害であると同時に被害者の皆さん、被害者の御家族にとっては正に憤りを抑えきれない人権侵害であります。私は、超党派の国会議員で構成する拉致議員連盟の中で10年以上にわたってこの問題に携わってまいりましたが、今回、拉致問題担当副大臣を拝命し、この問題の重大さと責任の大きさを痛感いたしております。
○9年前に5名の方が帰国されて以降、拉致問題解決に向けて目に見える進展が無い上、拉致被害者の御家族も御高齢の方が多くなり、拉致被害者の救出は時間との闘いとなっております。
○この間に、どうして具体的な進展ができなかったのかについては、真剣に総括するべき問題であると認識をしております。その上で、拉致被害者、関係者の方々そして多くの皆様から、野田政権に対し、その解決に向かっての具体的な行動計画を強く寄せられていると思っております。そのために、全力を尽くしていきたいと思います。
(黒岩神奈川県知事挨拶)
○今日は、めぐみさんの47回目のお誕生日だということであります。お誕生日をこういう形でしか祝えない御家族の胸の内を思いますと、改めてこの北朝鮮という国による国家犯罪、絶対許すことができません。
○横田滋さん、早紀江さん御夫妻の娘を思うこの思いによって、その国家犯罪の姿が明らかになり、日本人全体がその問題と直接向き合うことができるようになりました。
○私自身が今できることとして、この問題を風化させないために、若い世代に対しても、この問題を乗り越えなければ日本は恥ずかしいという気持ちを続けていくために、「Abduction」というドキュメンタリー映画の上映会を、神奈川県内で続けております。
○何とかして、こういう集会は終わりにして、来年は、めぐみさんお帰りなさいという会にするために皆さん力を合わせて頑張りましょう。
(阿部川崎市長挨拶)
○拉致問題は、我が国の国家主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題です。
○被害に遭われた御家族の方々への支援は、行政はもちろん、市民の皆様と一緒に取り組むべきものと考え、これまで行動してまいりました。
○拉致問題解決に向けて、「川崎市拉致被害者家族支援連絡会議」を設置するとともに、平成18年には国連事務総長に直接拉致問題の解決を願う親書をお渡しし、返事も頂いております。
○5人の被害者の帰国後、拉致問題は膠着状態が続いておりますが、拉致問題の早期解決のために、政府が一丸となって着実に取組を進めていただくことを切にお願いいたしたい。
○拉致問題を風化させることのないように、世論を高め、多くの人々に関心を持っていただくことが拉致被害者家族への支援になるものと考えています。
(特定失踪者御家族代表 大澤氏)
○弟は、失踪時27歳の独り者で、佐渡の農地事務所に勤務する新潟県庁の職員でした。事件当日は、近くの飲食店に夕飯を食べに行った帰り、忽然と行方不明となり現在に至っております。
○小泉首相が北朝鮮に訪朝してから丸9年が経ち、何の進展もなく膠着状態となっております。拉致問題は、日本政府でなければ解決することができません。皆様方の声で日本政府を動かし、非公開者約200名、公開調査者約200名の400名近い特定失踪者がおられますが、認定者を含め、今拉致されている全ての拉致被害者が一刻も早く帰国できるまで、更なる皆様方の御支援・御協力をお願いします。
(横田滋氏講演)
○拉致問題は、単なる人権侵害だけではなくて国の主権侵害の問題であり、領土問題と全く同じことであって、政府の力で早く取り返さないと、他の国からは「あそこの国は自国民がさらわれても何もできないんだ」となりますので、一日も早く救出をお願いしたいです。
○拉致問題は、経済制裁は非常に大事ですが、経済制裁だけでは解決ができないので、交渉がなければならないけれど、麻生内閣以降は一度も交渉が行われていません。
○解決までに時間がかかろうとも、政府が拉致被害者の全てを取り戻すという方針は変更しないでいただきたいです。
(横田早紀江氏講演)
○いろんなことを思いながら頑張ってきましたけれども、34年経っても何の進展もなく、3組の方が帰られただけで、全く静止した状態で日本政府の動きが何も見えてこない。
○日本が主になって、本気になってやり始めたら、アメリカは手助けをすると言っていることも聞いています。どうか日本の、国会議員お一人お一人の心を結集していただき、一丸となって、日本の罪の無い若者たちを、この国のために頑張ろうと思っていた若者たちを、取り返してください。私たちは、命が終わるまで本当に何でもします。あなたも一緒に北朝鮮に来なさいと言われれば喜んで参ります。
○どうかお一人お一人がまっすぐな心を持って、めぐみたちを、たくさんの被害者を助けてください。お願いします。
(林横浜市長挨拶)
○今日、私たちこの会場に座った全ての仲間たちが、今日の日を決して忘れない、この非道な北朝鮮の犯罪を許してはいけません。
○先ほど早紀江様が、一人一人が正しく生きて、ぶれずに本当に願い続けて意思を持てば、ある日突然、実に劇的に何かがあると仰いました。私はそういうことが必ず起きると思います。みんなで祈り、そして行動しましょう。
(山口相模原市副市長挨拶)
○本日の集会を始め、拉致問題に対する様々な取組を行い、市民、県民、そして国民の世論を盛り上げ、風化することなく拉致問題の解決に向ける気運を高めていくことが、非常に重要であり、不可欠なことだと私は思っています。
○被害者の皆様方が、是非一日も早く御家族の元に戻りますよう、そして元気に再会できますよう、力強く共に頑張ってまいりましょう。どうぞよろしくお願いいたします。
なお、開会に先立ち、ビデオ「『ただいま』の声をきくために」が上映されました。