拉致問題関係政策会議
- 日時:平成22年2月17日(水)8:00~8:40
- 場所:参議院議員会館第4会議室
- 出席者:中井拉致問題担当大臣、大塚内閣府副大臣、田村内閣府大臣政務官ほか
- 議題:
①資料説明
・拉致問題の経緯について
・拉致問題に係る政府の主な取組について
・帰国拉致被害者等に対する支援について
②意見、質疑等
(1)冒頭挨拶
(中井大臣)
現在、予算審議は順調に日程を消化しているが、この予算審議の目処が付いた際には、5年間の支給期限が終了することとなる拉致被害者等支援法に関し、(衆参拉致特)両委員会でも、委員長、筆頭理事を始めとし、関係者に審議をお願いすることとなる。現在、予算関連法案ということで、大塚副大臣においても努力をされているところである。これまでの経緯も聴き、被害者の役立つ法案とし再活用していきたい。
一方、北朝鮮に渡り密かに帰国した200名余の方がいる。また、80歳を超える100名ぐらいのいわゆる日本人妻の方が生存され帰国を待ちわびているとの話もある。同時に、中国、韓国に多くの脱北者が出ており、その中には日本への定住を希望する人もいると承知している。議員立法である北朝鮮人権法においてそれら脱北者を支援することとなっているが、当時の与党の反対で日本人、特別永住者とその子孫のみの支援を行うこととなっており、世界で一番厳しい難民の定義となっていることから、国際社会から非難を受けている。民主党はその政策の中で、国際的な難民の受け入れレベルに上げるとともに、政治亡命も受け入れることを打ち出してきたこともあり、法案の処理が一段落した後、この点について検討を進めて頂けないかと考えている。
本日は、以上の点につて御意見を頂ければと本会合を開催した。
(城島衆議院拉致特委員長)
拉致問題の解決について、何とか鳩山政権で新しい兆しを見つけ、出来れば、キチッと解決を図るべく、拉致特として、また、委員長として頑張りたいのでよろしくお願いしたい。
(前田参議院拉致特委員長)
拉致問題における政治の責任は真に重い。そして、中井大臣を先頭に是非これを進めて欲しい。また、我々は一致結束しこれを支える立場と思っており、是非、皆さんの協力をお願いしたい。
(2)議題
大塚副大臣から、別添資料に沿って説明。
(3)出席議員からの主な発言
- 政府において、拉致関連の特段の予算を計上したことに感謝。他方、政府は、政府でしかできないことに特に力を注いで欲しい、すなわち、集会を開催することにより政府が拉致に取り組んでいるふうに見せているのではないかとの声も届いている部分もあり、官民の役割分担を示して頂ければありたがい。
- 70年代から80年代にかけて発生した多くの失踪事件の中には、北朝鮮による拉致の疑いがもたれているとのことであるが、当時、警察は北朝鮮側の無線を傍受していたとのことでもあり、当時すでに分かっていた部分など、明らかにすべき情報の公開を積極的に行うことも、鳩山政権の行う取組の一つの切り口になるのではないかと考える。
- 90年代には、北朝鮮による日本人拉致について、調査などを通じ政府は薄々分かってきていた。しかし、2002年になるまでは一度も国会に報告されなかった。拉致行為により主権が侵されたわけであり、普通の独立国なら直ちに何らかの対応していた。当時、この疑惑が国会に報告されるだけでも騒然になったと思うが、そこから、国家としての在り方が議論され、もっと早い対応が出来たと思う。それだけに政治の責任は重いと思う。官僚から担当大臣、総理等政治のレベルまでは話が上がっていた、その点において隠蔽があったと思われる。この点の検証をお願いしたい。
- 現在、対北朝鮮制裁措置が実施されている一方、中国は北朝鮮に対し100億ドルの支援を行うとしている。そのような状況下で、これまでの政策にあった「対話と圧力」のバランスが見えてこない。日本政府として、対北朝鮮政策の方向性を示して欲しい。