平成22年12月19日(日)午後、熊本県熊本市の熊本全日空ホテルにおいて、政府拉致問題対策本部、熊本県、熊本県教育委員会、北朝鮮に拉致された日本人を救う熊本県議会議員の会、北朝鮮に拉致された日本人を救出する熊本の会、による共催で「拉致問題を考える国民大集会in熊本」が開催され、約500人が参加しました。
政府共催の拉致問題広報・啓発行事の地方における開催は、今回が12回目となり、菅内閣になってからは、北海道、鳥取県、千葉県についで4回目の行事となります。
この「拉致問題を考える国民大集会in熊本」では、
○ 政府主催者代表挨拶 三谷秀史(政府拉致問題対策本部事務局長代理)
○ 地元主催者代表挨拶 蒲島郁夫(熊本県知事)
○ 地元主催者代表挨拶 西岡勝成(北朝鮮に拉致された日本人を救う熊本県議会議員の会会長)
○ 講演
・李 英和 関西大学教授(北朝鮮社会経済論専攻)「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク」(RENK)代表
○ 拉致被害者家族の声
・飯塚繁雄氏(家族会代表、拉致被害者:田口八重子さんの兄)
・齋藤文代氏(拉致被害者:松木薫さんの姉)
・松木信宏氏(拉致被害者:松木薫さんの弟)
・平野フミ子氏(拉致被害者:増元るみ子さんの姉)
○ 閉会の挨拶
・北朝鮮に拉致された日本人を救出する熊本の会会長(加納良寛氏)
等が行われました。
以下、概要。
【三谷拉致問題対策本部事務局長代理挨拶】
○ 拉致の発生からは既に三十年以上の長い年月が経過しています。未だにこの問題を解決できないことに対して、政府として、また、ある程度早い時期からこの問題に取組ましていただいた一個人として、大変申し訳なく思っています。
○ 11月29日に「拉致問題対策本部会合」が開催され、全閣僚の出席のもと、本部長である菅総理から、拉致問題解決に向けて、「生存者の即時帰国に向けた施策」と「安否不明の拉致被害者に関する真相究明」、この二点を最優先事項としつつ、「北朝鮮に対する更なる措置の検討及び厳格な法執行」を図ることや、「引き続き北朝鮮に対して具体的な行動を強く求めること」など8項目からなる指示が出されました。一日も早い被害者の帰国を実現すべく、政府一丸となって取組んで参りたい。
【蒲島郁夫熊本県知事挨拶】
○ 拉致被害者の松木薫さんのお母様である松木スナヨさんも89歳となった現在、入院先で息子さんの帰りを待ちわびている。ご家族も年々高齢化しており、拉致問題の解決が急務である。一刻も早く、拉致問題を解決して欲しい。
【西岡北朝鮮に拉致された日本人を救う熊本県議会議員の会会長挨拶】
○ 最近、拉致問題が後退するのではないか心配している。
○ 一般の方々、マスコミも関心が薄れている印象があるので、関心を持ち続けて欲しい。
【李英和関西大学教授の講演の概要】
○ 今回の砲撃事件は、北朝鮮の軍の内部抗争(派閥)問題である。
○ 内部混乱は、半年もすれば決着がつく。その時が、チャンスである。
○ 拉致被害者を保護(監禁)している者の身分保証をするようなメッセージを送り続けることが必要。
【飯塚家族会代表挨拶】
○ 我々は、とにかく結果が欲しい。途中の難しいプロセスはどうでも良い。
○ 被害者の親で一番若かった横田さんも70歳を過ぎ、私と代表を交代した。また、非常に残念であるがご両親も一人、二人と亡くなってしまっている。なんとしてもご両親が生きているうちに会わせてあげたい。
【齋藤文代氏挨拶】
○ 一日でも良いから母親に息子の手を握らせてあげたい。
○ 韓国と北朝鮮の国境付近に行ったが、とても寒かった。何とか生き延びて欲しいと思いつつ、その地を後にした。後日、思いを乗せた手紙の風船に乗せて韓国から飛ばしてもらった。
【松木信宏氏挨拶】
○ 故郷の力は大きい。また、頑張ろうという気持ちになった。
○ 政治家や家族、国民等のいろいろな力が合わさってこの問題が解決に進むよう是非応援してください。
【平野フミ子氏挨拶】
○ 父は日本を信じろと言って亡くなった。私はそれを信じて、この壇上に立っています。
○ 昨年、るみ子の戸籍を回復しました。戸籍を抹消した時、父ちゃんは断腸の思いだったと思います。
○ 日本を元気にするためにも絶対帰ってきてください。
【北朝鮮に拉致された日本人を救出する熊本の会会長加納良寛氏挨拶】
○ 日本は、多くのカードを持っている。このカードを利用して全力で救出して欲しい。
なお、開会に先立ち、アニメ「めぐみ」が上映されました。